読書:『意識はどこから生まれてくるのか』(マーク・ソームズ)

意識に関する書籍は、ジュリオ・トノーニの『意識はいつ生まれるのか』以来、とても久しぶり読んだ。 本書マーク・ソームズの『意識はどこから生まれてくるのか』は、概して大変興味深く、いくつかの点で自分が漠然と持っていた意識と脳に対する認識は大幅に…

経験分布の収束について

概要 ブートストラップ法を勉強していて,経験分布に関して興味が湧いた点があったので個人的に整理する.具体的には,経験分布関数が元の分布関数へ大数の法則より収束することと,類似に定義できる経験密度関数がヒストグラムと対応でき,こちらも概ね(?)…

AICの背景からのAICcの導出

このブログでは,下記記事のAICの導出における背景を踏襲してAICcの導出を行う.josephbell.hatenablog.com主要参考文献は下記の3つである. Cavanaugh and Neath (2018) Konishi and Kitagawa (2008) Hurvich and Tsai (1989) AICの背景に追加の前提 AICの…

赤池情報量規準の導出

Cavanaugh and Neath (2018)を読んで得た理解のまとめ. 以下の導出の最終的な主張は文献よりも弱く見えるが,これは自分が理解している範囲で正しい結果に留めた結果である. 背景 導出 所感 背景 未知である真の分布から独立に生成された個の観測値を特徴…

修正済み赤池情報量規準(AICc)の導出

Hurvich and Tsai (1989)を流し読みして得た理解まとめ 準備 まず,データは次のTrue Modelから生成されたと仮定する. Hurvich and Tsai (1989)ではTrue Modelの意味でOperating Modelという用語が使われているが,どういうニュアンスを含んでいるのかよく…

ベイズ情報量規準の導出のスケッチ

下記の文献のBICのところを流し読みして得た理解まとめ link.springer.com 事後確率に基づくモデル選択 を個の候補モデルとし,各モデルは確率分布 と次元パラメータベクタを取る事前分布に特徴づけられるものとする.ここでのモデルとは,回帰モデルにおい…

標本数とパラメータ数が近いときのAICcの挙動

検証用のシミュレーションを書いたり,調べ物をしてて,について気がついたことあったのでメモ. とは とは,モデル選択に用いられる情報量規準の1つであり,標本数が漸近的に無限に大きくなることを仮定したを,有限のに修正したものである. ここでは対象…

情報量規準と尤度比検定

下記の論文を読んでいて面白かった点について個人メモ academic.oup.com AIC,BIC,ABIC,CAICなどの情報量規準(IC)は,それぞれ様々な前提や観点から導出されているが,結局のところ,2つの候補となるモデルのどちらか一方を選ぶという観点から捉えると,罰…

『データ分析のための数理モデル入門』を読んだ

www.amazon.co.jp ここ数年データ分析に関わってきたので,手法に関しては9割は知っている内容だったが,いくつか漏れてる知識がわかってよかった(待ち行列理論の誕生死滅過程とか,AIC関連で特異モデルとか面白そう). 大学教養課程の数学(微積,線形代…

科学哲学についての備忘録1

論理実証主義,パラダイム論とその後 Disclaimer: 素人調べのため不正確な点,独自解釈があり得る. 論理実証主義と境界設定問題 論理実証主義,あるいは論理経験主義とは,検証可能性に基づいて知識の有意味性を規定し,そのような知識の探求のみを至上命題…

A Problem on a Formal Science

In the similar manner that a theory of physics can be verified by the correspondence to a physical phenomenon, can mathematics, more generally formal sciences be verified? In order for the verification, a specific group of phenomena may be…