経験分布の収束について
概要
ブートストラップ法を勉強していて,経験分布に関して興味が湧いた点があったので個人的に整理する.
具体的には,経験分布関数が元の分布関数へ大数の法則より収束することと,類似に定義できる経験密度関数がヒストグラムと対応でき,こちらも概ね(?)元の分布の密度関数へ収束することを示したい(願望).
この記事において,経験分布関数の定義との扱いあたりは、概ねこの本の1章に基づく.
経験分布の定義と各種グラフ
簡単のため,以下で扱う分布関数は微分可能であり,密度関数が存在すると仮定する.
まず,IIDで分布関数に従うN個の確率変数を,その実現値をとする.
ここでに関する経験分布関数は次のように定義される.
ただし,,は次のように定義されるである.
次に例示として,標準正規分布における分布関数と,の標本に基づく経験分布関数のグラフを示す.
ある区間サイズについて,経験密度関数を次のように定義する.
ただし,,とする.ここでは床関数である.
(注:ここでの経験密度関数は,ヒストグラムと密度関数の対応を見るために導入したこの記事独自のものである)
次に例示として,標準正規分布おける密度関数と,の標本に基づく経験密度関数のグラフを示す().